皆さん、こんにちは!
世田谷校の加藤です。
気づけば緊急事態宣言の解除から1ヶ月ほどが経ちます。
多くの学校で分散登校が終わり、通常通りの学校生活が始まってきています。
塾に来てくれる生徒さんたちから学校の様子をたくさん聞きますが、
新しい生活や学習に奮闘しながらも、楽しく過ごしてくれているようです。
そして、通常授業が始まってはやくも定期テストを目前にしている
生徒さんたちも多く、テスト勉強に本腰を入れて取り組んでいるところです。
そんな生徒さんたちをサポートすべく、私たちも、
いかにうまく指導できるかを常に考え続けています。
そこで今回は、そんな授業に関する工夫の一例を紹介します。
会話のキャッチボール
皆さんは、朝礼や全校集会やプレゼンテーションなど、
一方通行で長い話を受けたものの、あまり内容が頭に残らなかった
という経験は無いでしょうか。
人は一方的に話されても、なかなか集中して記憶することはできません。
もちろん、話の中身を面白くして引きつけることも大切ですが、
それ以上に、発問をして会話のキャッチボールをすることで、
頭に残りやすくなります。
これは勉強でも同じです。
例えば、学校の授業です。
双方向でのコミュニケーションがないまま、
先生がひとり黒板に向かって進んでいく授業を想像してください。
ノートだけはなんとなく取り続けるものの、
なかなか内容が頭に入ってこなかったり、
気付けば集中が切れて眠くなりウトウト……そんな気がしませんか😅?
それとは反対に、個別指導において、
双方向の会話がしやすいというのは大きなメリットです。
先生が一人ひとりの表情まで見ながら会話をすることで、
生徒さんたちの個性やペースに合わせたコミュニケーションを取ることができます。
そうすることで、生徒さんの理解や集中にもつながりやすくなります。
私自身の授業でも、個性や理解度をしっかり把握しながら、
生徒さんとのコミュニケーションを大切にすることを心がけています。
会話で考えを引き出す
先日、ある小学生の生徒さんに国語を教えていました。
それは小説の読解でした。
「ユリア」と「翔太」という登場人物が、
姿が見当たらなくなってしまった「お波さん」という人を
必死で探しているというものでした。
そこで、次のような問題が出題されました。
本文:
(前略)
しばらく、時が流れた。お波さんがもそっと動いた。
次にゆっくりと、自分の顔の上の帽子をとった。
「ああ、すっかりいい気持で眠っちゃった」
そして、仰向けになったまま、真上から見下ろしているユリアと翔太の顔を、
まぶしそうに見た。
「ここに寝ころんで、風に吹かれていたら、パッフェルベルのカノンが
頭の中に聞こえてきたのよ。なんて幸せなんだろうと思っているうちに、
すーっと眠っちゃった」
それを聞いたとたん、⑤ユリアは突然、ポロポロっと涙をこぼした。
(後略)
(三輪裕子『鳥海山の空の上から』)
問題:
傍線⑤「ユリアは突然、ポロポロっと涙をこぼした」とありますが、
この様子からわかることとしてもっともよいものを次の
ア~エから選び、記号で答えなさい。
ア うらぎられたようで悲しくなったこと。
イ はずかしくて、気まずくなったこと。
ウ 安心して、気がゆるんだこと。
エ うれしくて、はしゃいでいること。
この問題では、ユリアという人物が涙した理由を問われていますが、
その生徒さんは、すぐには理解できませんでした。
もし、この生徒さんが以下のように先生から
説明されてしまってはどうでしょうか。
***
先生「ここでユリアは、いなくなっていたお波さんを見つけることができて、ほっとしたよね。
つまり、この”ポロポロっと涙をこぼした”は、安心したってことだね。答えはウだよ。」
生徒「ふーん、そうなんだ」
***
このような一方通行の説明では、多くの生徒さんが
「何となく分かった気」になってしまいます。
人によっては、よく分からないまま、
置いていかれている感覚になるかもしれません。
そこで、上記と同じ場面で、
以下のようなやりとりをしてみます。
***
「ここの”ポロポロっと涙をこぼした”ってどういう意味?」
「悲しいってことだと思う」
「どうして?」
「だって、涙を流しているんだもん」
「なるほどね。たしかに、涙って普通、悲しい時に出るもんね。
でも、きみは悲しい時以外にも涙が出たことってある?」
「う〜ん。あ、喜んだりびっくりしたときにも涙が出たことある!」
「おお!実は、この場面はまさにそうなんだ。なぜだか分かるかな?」
「うーんと…(しばらく文章をながめる)
あ!『お波さんが死んじゃったのかと思った』ってユリアが言っているから、
いなくなったお波さんが無事で・・・驚いて、安心したのかな? 答えは『ウ』?」
「そのとおり!」
***
同じ内容の文章でも、生徒さん自身に答えを探させるようなやりとりで、
「自分の考えを引き出す」トレーニングになります。
そのうえ、より登場人物の心情や、場面に関しての興味や理解も深まります。
自分自身で論理的に読み込んでいく国語力は、1日では向上しません。
日々、練習を積み重ねることで、徐々に身に着くものです。
このように生徒さんに積極的になってもらえるような工夫で
集中力も、理解度も、論理力も、好奇心もアップできるような授業を
引き続き心がけて実施していきたいと思います✨
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