A君の課題

中学3年生のA君は

言われたことは必ずやってくるとても素直な性格ですが、

「なぜやらなければならないのか」といったやるべき理由を

深く考えることをしていませんでした。

そのため、試験対策で計算演習、英単語、新出文法を

コツコツ努力をして解いて行き成果が出始めても

完全に習得する手前で終わってしまい、

いざ試験本番となると、なかなか成績が伸びません。

つまり、最後のツメが甘いタイプでした。

変化のきっかけ

そんなA君に転機が訪れます。

3月、新中学3年生を対象に

高校受験についてのガイダンスがありました。

そこでは、高校受験のスケジュールや

中学校の成績の重要性などの説明をしました。

高校受験を具体的にイメージできるようにするためです。

そこで、現在の自分の成績と高校とのギャップを意識したA君は

中学3年生になってからの日程をメモしたり

志望校を真剣に考えはじめました。

4月になり中学3年生になったA君と

最初の試験の目標点を一緒に決めました。

今までよりも高い目標を設定するA君は

「気になっている高校に合格するにはこれくらい取っておきたいから」

とやる気を見せていました。

小さな成長の繰り返し

このように新学期をスタートさせて過ごすうち

ゴールデンウィーク前の最後の授業となりました。

私は、A君に連休の宿題を渡しながら

「連休が終わったらすぐに最初の試験があるよ。

このゴールデンウィークの宿題は試験範囲に入っているから

テスト対策だと思ってしっかりやろう」

と声をかけました。

さらに、こんな話もしました。

私「春休みから今まで頑張ってきて、テキストも結構進められたよね」

A君「はい」

私「完璧に覚えられたと思う？」

A君「いえ、そこまで自信ないです」

私「じゃあどうしたらいいと思う？」

A君「連休中に復習する！」

私「そうだよね、君の数学の場合、重要なのは途中式を書くことだ。

途中式を書くことで、解き方を繰り返し自分に言い聞かせることになるんだよ。

そうすると解き方を忘れるなんてことはなくなるんだ。

だから面倒くさがらずに書いてこようね！」

A君「はい、頑張ります！」

意識が変わり行動が変化

そして連休明けにA君の宿題をチェックした私は驚きました。

正解率の高さはもちろんのこと、

何より素晴らしかったのは、綺麗な字で書かれた途中式でした。

実際の解答。努力の跡がはっきり見えます。

私との約束通り解いてきたノートは、「美しい」の一言です✨

更に、驚いたことにA君は翌週に自習に来て

誰よりも早く試験までにやらなければならない

提出物を解き始めていました。

「どうせやらないといけないものだから

早めに終わらせようと思います。」

静かだけれど、強い意思を感じさせて話すA君の姿は

これまでで一番、頼もしかったです。

自習室での様子。黙々と問題を解いています。

これからも生徒の成長を促し

目標達成の喜びを分かち合いたいと思えた出来事でした😊

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