こんにちは、世田谷校の鈴木です。
先日、ノーベル文学賞の受賞者が発表されました。
毎年、受賞するかどうかが話題になる村上春樹は、またしても受賞を逃しました💦
ですが、受賞はなかったものの、書店は盛り上がりを見せていました✨
その村上春樹と交流があることで知られる
日本生まれのイギリス人カズオ・イシグロという作家は知っていますか？
カズオ・イシグロは2017年にノーベル文学賞を受賞し、
日本でも作品がドラマ化、舞台化されていて、耳にしたことはあるかもしれません。
彼の小説の多くで「記憶」というものがテーマになっています。
人間は多くのことを記憶するのと同時に、忘れていく生き物でもあります。
（僕も昨日作った晩御飯すら今パッとは思い出せません…😅）
曖昧な記憶、都合のいいように書き換えらた記憶、忘れられた記憶…。
カズオ・イシグロはそうした「記憶」をテーマに人間性を深く追求してきます。
今回はそんな「記憶」と勉強法についてのお話をします。
忘却曲線とは何か
ドイツ人の心理学者ヘルマン・エビングハウスは
「人間は覚えたことを時間経過とともにどれくらい忘れていくのか」
について実験しました。
その結果をグラフにしたものを「忘却曲線」と言います。
エビングハウスの忘却曲線（http://www.senseandsensation.com）
簡単に言えば、人間は復習をしないと
２０分後には４２%、
１時間後には５６%、
１日後には７４%、
１週間後には７５%、
１ヶ月後には７９%を忘れてしまうということです。
しかし、研究結果によれば
忘れてしまう前に復習をすれば記憶は回復することが明らかにされています。
忘却曲線に復習した場合の定着度のグラフ（https://uwaterloo.ca/campus-wellness/curve-forgetting）
・２４時間以内に１０分
・１週間以内に５分
・１ヶ月後には２〜４分
の復習をすることにより、忘れにくくなります。
このグラフを見てもわかるように、
最初は１０分必要だった復習の時間も繰り返し復習をすることによって
少なくても覚えれるようになっていくのです。
忘却曲線を利用したJ君の話
なかなか暗記系の科目が伸びないJ君。
勉強はしてもすぐ忘れてしますと相談されたので、
この忘却曲線の話をしました。
鈴木「グラフを見たらわかるけど、『頑張って復習するぞ！』と思わなくていいんだよ」
J君「え、どういうこと？」
鈴木「まずは１０分でもいいから復習すれば勉強内容が定着しやすくなるんだから、
例えば、そうだな…テレビのCMとか歯磨きの時間とか、そういうスキマ時間を使うんだ」
J君「長時間の勉強を頑張ろうとしなくていいってこと？」
鈴木「そう！ 勉強したあとの『ちょっとスマホ…』を『ちょっと見直し』に変えるとかね」
J君「いつもスマホ触っちゃうんですよね・・・」
鈴木「だよね。でもそこを復習する時間にできれば、今よりもっと覚えられるようになるよ」
J君「なるほど…じゃあ歯磨きの時間とかのスキマ時間に復習してみる！」
忘却曲線の性質を生かして勉強方法を見直したJ君。
その後、明らかに以前より勉強内容の定着度が上がりました。
これまでできなかった問題も解けるようになった！
これまででは解けなかったような問題も
「これ、先週の入試特訓で解いた問題だから！」と
当たり前のように解けるようになっています。
この、「忘れない勉強」を始めたJ君の次の定期試験が楽しみです。
忘れない勉強を！
今回は、忘却曲線とその性質を生かした勉強法についてお話ししました。
日々、塾に通ってくれる生徒さんは膨大な情報にさらされています。
学校の授業や宿題、友達との会話人間関係、塾の授業や課題、スマホやSNSからのニュース、YouTube…
そんな情報の洪水の中、何かを忘れないためには、工夫が必要です。
そして、その最も効果的な方法の一つが復習なのです。
この忘却曲線のデータに基づいた
ちょっとしたスキマ時間を利用した勉強法。
みなさん、ぜひ意識してみてください！
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