世田谷校 Freewillブログ

2020年7月10日

「才能の芽」を大切に。

こんにちは、世田谷校の遠藤です。

 

 

日頃、生徒さんがはまっているものやおすすめしてくれた作品をメモし、

週末にTVドラマや小説を、

イッキ見・イッキ読みするのが日課となっています。

 

 

先週末も高校1年生の男の子の紹介で、

吉村昭著『虹の翼』という歴史小説を読みました。

 

 

明治・大正期に実在した日本人、二宮忠八とはどういう人物だったのか。

かの有名なライト兄弟が最初の飛行機を飛ばす十数年も前に、

独自の構想で飛行機を考案していた彼の生涯が描かれています。

 

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吉村昭さんは「名もなき人」を書くことで知られているそうです。

 

当時は日清戦争・日露戦争に明け暮れる日本情勢下でした。

画期的な発案を軍部に無下にされながらも、

己の私財を投げ打って「飛行器」を実現させようとした彼の才能の芽は、

惜しくもその戦禍によって摘まれてしまったのです。

 

 

いま、「コロナ禍」という言葉もあるほどに、

戦禍とはまた違った状況に世界中が苦しんでいます。

しかし、そのなかでも子どもたちからは着々と「才能の芽」が出てこようとしています。

大変な状況に飲まれることなく、しっかりとその新芽を大切にできるよう、夏を過ごそうと思います。

 

 

今回は、学校の授業にもようやく慣れてきた生徒さんのなかに見られた

「才能の芽」を2つご紹介したいと思います。

 

 

MちゃんのGoodなニュース

 

 

まずは先日、小学5年生のMちゃんの授業を見ていた時のことです。

彼女は教室に入ってきて早々に、

 

「先生、今日はGoodなニュースがひとつあります!」

 

 

梅雨のどんよりした空気を吹き飛ばすかのように

元気よく声をかけてくれたMちゃん。

何かを見せたそうにうずうずしています。

 

 

「でも、授業が始まってからのお楽しみね!」

 

そんな茶目っ気たっぷりの彼女が、

授業開始すぐに見せてくれたのが、こちら!

 

 

本格的なスケッチブックに描いてきてくれました!

 

 

色鉛筆を使って描かれていたのは2匹のラッコ。

 

「先生、どう?」

 

「上手いね!色鉛筆の使い方も単調じゃなくて、

ここで黄色を使えるなんて素晴らしいね!」

 

「実は他にもまだあるんですよ!」

 

 

それから数枚の絵を見せてくれました。

 

初めて聞く名前の生き物でした。

 

隣の生徒さんから「白雪姫みたい」という声も。

 

 

 

その度に

 

「これはどう思います?」

 

「先生、ほかにも感想聞かせてください!」

 

「この魚は知ってますか?」

 

とMちゃんのテンションは高まっていきました。

 

 

「どうしていきなり絵を書こうと思ったの?」

 

と訊ねると、

 

「水の生き物を色鉛筆で描くための本を買ったから休日に描いてたの!」

 

と話してくれました。

 

 

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調べてみるとMちゃんの絵とそっくりの表紙の本が!!

 

実は、私自身もたまに趣味で絵を描き、

以前にMちゃんに見せたことがありました。

 

それがきっかけで、私のことを

「絵でのやりとりができる先生」というふうに

思ってくれたのかもしれません。

 

 

自分の作品に対して理解を示してくれる人がいるのは、

とても嬉しいことだと感じます。

 

 

授業の最後には、

 

「次は先生が描く番だよ。今度は私の顔を描いてきてね!」

 

と次回までの課題を出してくれました(笑)

 

 

教室に突然現れた物体

 

 

今度は小学5年生のKくんの話。

 

 

こちらは先週の出来事です。

16時台に何人かの生徒がぽつぽつと塾にやってき始めた頃。

私も生徒さんの様子を見に下の階へと下りて行きました。

 

 

すると、教室のど真ん中にさっきまで存在していなかった巨大なオブジェが!

 

段ボールが切り貼りされ、着色もされています。
一体なんでしょう?

 

「なんだ、これは!!」

 

わたしは思わず声を出してしまいました。

その謎の物体の横に、Kくんが立っていることに気付きました。

 

「休校だった期間に家で作ったやつを持ってきました。」

 

とKくん。

 

よく見ると、巨大なオブジェと一緒にゾイドがテーブルに置かれています。

ゾイドとは、動物の形をしたメカで、アクションアニメで知られているおもちゃです。)

 

 

「ゾイドによって破壊された街を再現してみたんです。」

 

とまるでクリエイターのようなセリフが出てきました。

彼は、ゾイドにインスピレーションを受け、

綺麗な街並みではなく、あえて廃墟と化した街並みを制作したようです。

 

 

私はそんな彼の想像力に感嘆しつつ、

もしかしたら、と思いこんな質問をしてみました。

 

「Kは特撮とかが好きなの?」

 

そう訊ねると、

 

「はい!休校中に見たYoutubeで、特撮の映像を見てかっこいいなって思って!」

 

その思いをぶつけるかのように、

休校期間中の時間を使って制作に没頭していたようです。

 

 

授業後、彼はその大きなオブジェを一生懸命に抱え、再び家へと返って行きました。

模型を見せにわざわざ家から持ってきてくれたのだと思うと、

なんだかとてもありがたく感じました。

 

 

第2のhome

 

 

私はこの二つの出来事からある共通点を見出しました。

 

それはFreewill学習塾が彼らにとって、

「自分を理解してもらえる場」になっているということです。

 

そうした環境がどの生徒さんにも提供できるよう、

私たちは日々生徒さんの興味・関心を引き出すことを心がけています。

 

また、今回の出来事から、会話によるコミュニケーションだけでなく、

「感覚によるコミュニケーション」も非常に大切なことに改めて気付くことができました。

 

 

会話だけでは、自分の考えを言語化しにくい生徒さんもいます。

 

そのなかには、絵や工作物を通して自分を表現する方が得意な子もいます。

その作品に込められたものを読み解いたり

制作物をきっかけにしたやりとりを行うことで

うまくコミュニケーションがとれる生徒さんもいるのです。

 

 

生徒さんによってそれぞれ得意とするコミュニケーション手段は違ってきます。

 

彼らが勉強以外にも目的を持って、

Freewill学習塾に通ってくれるように、

様々な交流の仕方で接していくことが必要なのだと改めて感じました。

 

 

Kくんのことは室長の井口との間でも話題になり、

その会話の中で彼が言った言葉が心に残りました。

 

「世田谷校の子はアーティスティックな子が多いですよね。

いや、本来どの子もそういう感性を持ち合わせているのかもしれませんね。

 

 

休校期間中に蒔かれていた種が、

日常という自然な状態に戻ったことで

ようやく育ち始めたのかもしれません。

 

 

彼らの感性をより豊かにし、

才能の芽を育てる側面も忘れないように

今後も指導してまいります!

 

 


 

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